ライフにマストな食べ物~過去の事例から考える食の安心と安全

食の安心と安全と言えば何をイメージされますか?東日本大震災による放射能漏れによって、日本ではさらなる食の安全が注目されています。
世界中で、事件や事故があるたびに食の安心と安全を見直し、今の環境になっています。過去の事件や事故などの問題とともに、これからの食の安心・安全をお伝えします。

昔から食の不安アリ?世界の事件や事故から考える食の安心・安全

世界各国で食への不安は絶えずありました。イギリスでは産業革命が始まると、利益を優先させたために、パン、ビール、香辛料、紅茶、パンなどに混ぜものである銅、炭酸塩、みょうばんなどが入っていたため、人々が消化不良になったそうです。
イギリスでは19世紀後半になって、やっと悪質な製造業者から民衆を守る法律が出来たと言われています。今でも、フランスからの輸入商品である香辛料に、日本の規定以上の放射線物質が入っているという問題も起こっています。

アメリカは?

アメリカにおける食の問題点と言えば、土壌汚染や家畜環境の悪化による病原細菌汚染が多かったことです。
また、19世紀後半では、牛乳の生産量よりも多い消費量が発表されたことにより、本来の牛乳以外の混入物によるものだと発覚したそうです。その結果、低温加熱殺菌や牛乳瓶が開発されて安心と安全が確保されたようです。

日本における食の安心と安全は?

日本で食について、不安になったのは20世紀前半の企業の汚染物質による公害病がきっかけではないでしょうか。

・イタイイタイ病:富山県:カドミウムが原因で骨のゆがみ、ひびなどがみられる病気。

・水俣病:熊本県:魚に混入したメチル水銀化合物が原因。汚染魚を食べた人の体内に毒物がたまり、震え、四肢末梢神経のしびれ、言語障害、運動失調、聴覚、視覚障害、平衡感覚障害など様々な障害をもたらした病気。
第二水俣病と言われた新潟県の新潟水俣病、四日市ぜんそくとともに四大公害病とされました。20世紀中ごろになりようやく消費者生活センターが設立されたのです。ちょうど魚の水銀汚染や発がん性物質となる食品添加物が問題となっていた頃でした。
20世紀後半には、牛乳の集団食中毒事件や学校給食のO157感染、アメリカからの輸入牛肉の狂牛病などの問題も浮上することになります。

21世紀になって食の安全が今の水準になった?

21世紀前半になり、企業の偽装表示を防止するために、民間団体が食品表示検定を開始します。日本人は国産について、どの国よりも厚い信頼を置いています。安心は安全の確信があるからこそ成立する心理です。
企業が食の安全を確保する理由は、消費者が安心を感じることで、消費者からの自社への信頼を得るためです。それにもかかわらず、日本のしいたけが中国産のしいたけよりも残留農薬が多い事件もありました。

まだまだ食の安心と安全は確立していない?

残留農薬、遺伝子組み換え食品、クローン食品など、人体に蓄積することで将来的に悪影響を及ぼす食品については、完全に安心と安全を確立しているとは言えないようです。
表面についた農薬さえ取れば、栄養価は変わらないといいますが、葉物などをサラダで食べるなどする場合はやはり不安なのではないでしょうか。残留農薬は水道水、重曹水、熱湯、茹でるなどで対策をとるのがいいようです。
農家の人は自分の家で食べる野菜と出荷する野菜が違うという時代もあったので、これからは消費者の健康も家族と同じように考えて生産してもらいたいものです。

食の安心と安全の発信は生産者から

食品添加物がたくさん入った利益のための美味しいものへの追及ではなく、人々が安心して食べられる食品の追求が求められています。ニーズをとらえるのが早い企業では、人々の信頼を得るために添加物なしのおにぎりなどの食品も販売されています。
世界の中でも、日本は加工食品が多いことから、食の安心と安全は企業に委ねられています。昔と違い、今は消費者も食の安全のために積極的に助言などで参加することが求められている様です。