安全の三原則は誰のためにある?意識こそ最大のポイント

職場において、事故が起こり日々ニュースで取り上げられています。大きな事故である割に、きっかけは小さな不注意である事も。職場には安全の三原則という決まりがあります。職場の三原則とともに意識づけの大切さをお伝えします。

不注意で起こる危険な事故

こんな事件がありました。エレベーターの空洞の上に鉄板を置き、そこを足場にして高所作業車を乗せて内装の工事をしていたそうです。鉄板が耐えうる重量は150キロだったにもかかわらず重量オーバーの作業車を乗せていたそうです。
当然、足場は崩れ落ち、人や周囲の3人が死亡するという事故でした。
まさかというベテランならではの余裕が危険を生む
ベテランとなれば、ミリ単位でさえ目視でわかる技術力を持つ人もいます。そのため、経験などから規定を上回った重量などでも大丈夫だと言ってしまいがちです。そんな時こそ安全三原則を思いだし採用する事が求められます。

新人が慣れていない事による災害も危険

新人によるミスも危険につながります。ただ、新人によるミスは不慣れなことが原因であり、それを執拗に怒る上司や先輩がいるなどすれば、トラウマやストレスとなり何度でも同じ境遇になればミスを連発してしまいます。
そして、それはベテラン社員となっても、配置換えなどで同じ境遇になれば、またミスをしてしまう様です。新人によるミスは安全三原則の普及と共に、広い気持ちで接する方を重視した方が再発防止につながりそうです。

安全三原則は熟練者向けまたは熟練者になる人向けの指標

安全三原則にはこの様なものがあります。

・整理整頓
→掃除をすること、整頓ができる事を合わせて、躾と言われています。掃除をするということは、整理整頓をしているのだという意識づけが大切です。ただ掃除をするだけでなく使いやすい職場になる様な配置決めをしていく事が求められそうです。

・点検整備
→何かいつもと違う、ほんの少しの異変でさえ事故につながることがあります。いつもうまくいっているからと、過信しすぎる事が一番危険です。

・標準作業
→事故や災害が起こらない様な仕事の進め方をする事です。職場の機材、部品、道具を大切に扱う事も含まれています。同じ耐用年数でも使い方次第で寿命が延びるからです。
また、標準作業を維持すれば企業価値も上がる事につながります。最近では神戸製鋼所のずさんな体制が明るみになっています。

ついつい忘れがちになる安全三原則

事故や災害の発生は、安全三原則が忘れられた時に起こります。ベテランや仕事が慣れた頃の新人は、スピード重視となってしまい、ついつい安全三原則を忘れがちです。
スキーや登山をイメージしてみればいいでしょう。慣れた頃が一番危なく、ベテランになれば強硬突破しがちになるからです。

キャリアにかかわらず安全三原則はマストな意識

安全三原則は新人の経験のない人対象の用語ではなく、ベテランや慣れた頃の新人が今こそ思いだすべき用語であると言えそうです。
しかし、最初に強く意識を高めるのはやはり入社したての新人でしょう。知識として持っておき、使うのは慣れた頃やベテランの域に達した頃という事ではないでしょうか。