万引の再犯率の高さに対抗する方法

万引は再犯率の高い犯罪で、中には『クレプトマニア(窃盗症)』と呼ばれる喪失感や寂しさなどの心理状況から繰り返してしまう精神の病にかかっていることが原因になっていることもあります。被害を減らすには、万引できない、させない環境を整えておくことが大切です。万引の予防策についてお話しましょう。

■女性高齢者の再犯率が多い

高齢者の万引が増加傾向だと報じられたことがありましたが、東京都では、高齢者の万引きに関する本格的研究をすすめる「万引きに関する有識者研究会」が報告書をまとめ、万引対策に乗り出しています。
この報告によれば、平成22年の発生件数のうち高齢者は2割だったものが、平成28年には3割。再犯率は58.7%にも上ります。特に65歳以上の女性の検挙人数は著しく増えています。
万引で検挙された人の中には、常習犯と呼べるほどの頻度で万引を繰り返すケースがあり、動機として「スリル・好奇心・ストレス解消」が 32.1%にのぼります。
収入についても、相対的には低いものの、生活保護を受けていない割合が87.5%、持ち家率も50%程度あることから、生活困窮だけではない理由があることをうかがわせます。

(参考)東京都公式サイト「高齢者による万引きに関する報告書」の策定について
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/23/20.html

(参考)東京都 「高齢者による万引きに関する報告書」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/23/documents/20_01.pdf

■『クレプトマニア(窃盗症)』への対処

万引は、上手くいったことで達成感を感じ、常習化することが起こりうる犯罪です。
「スリル・好奇心・ストレス解消」ができたと感じてしまった万引成功者は、ストレスを受けたときに、再販してしまう可能性が大変高いでしょう。
東京都の有識者会議が作成した「高齢者の万引に関する報告書」の中でも、孤独感や疎外感を感じている割合が高くなっています。
ストレスや不安感を持ちながら、日常的に関わりをもてる相手がいない場合に、たまたま万引が成功してしまうと、常習者になる可能性が高いでしょう。

■万引の再犯を防ぐために

スーパーマーケットでの食品の万引は特に割合が高く、防犯カメラの導入が進められています。
大手流通業界では、顔認証システムを使って、効率的に防犯活動が行えるように対策しています。
万引は再犯率が高い犯罪ですから、かつて警告を与えた人が来店していることがわかると、高い防犯効果があります。
認証システムまでの高度な機能が搭載されていなくても、効率よく店内の様子を確認、記録できれば、低コストで防犯対策を講じることができるでしょう。