防犯カメラによる個人特定の危険性とは?問題点ご紹介

ある事件が起こった時、防犯カメラを使えば個人の特定ができそうです。
しかし、防犯カメラに映った個人を犯人扱いしてしまうことについては、大きな問題にも発展しがちです。防犯カメラの個人特定についての問題についてお伝えします。

誤認逮捕が起こっている?

防犯カメラによって誤認逮捕の被害にあってしまった人がいます。Aさんの場合で考えてみましょう。Aさんはコンビニへ買い物に行きました。
その後、お店の被害が発覚します。防犯カメラにはマスクで誰か分からない犯人の映像だけが映っていました。
さらに、犯人はドアノブにさわっているところも映っていたのでした。その後、ドアノブにAさんの指紋が発見されます。
・誰か分からない犯人の防犯カメラによる映像化
・犯人がドアノブをさわっている映像
・ドアノブにはAさんの指紋あり
・犯人とAさんの体型が似ている
たったこれだけの情報でAさんは誤認逮捕されてしまったのだそうです。
その後、Aさんの家族がコンビニの防犯カメラの映像を一週間分入手し、時間をかけて確認したところ、犯行のかなり前の時間帯に、Aさんがコンビニで買い物をしていた様子が映し出されていたのでした。
では、犯行直前のお客の指紋がなぜ検出されなかったのか、そのあたりについては、指紋の厚みや手のひらの湿度など様々な体質も影響したのかも知れません。

偏った犯人推定にも問題あり?

専門家によると、警察官であっても、映像を専門に分析する人ではないため、ある程度個人の趣向や個性が影響するそうです。つまり、顔が映っていたとしても警察官が推定し、逮捕する場合は必ずしも本人であることを100%確証するものではないことになります。
防犯カメラの性能が、すべての防犯カメラにおいて高品質でクオリティの高いアイテムに統一すれば、犯人を特定しやすくなるでしょう。
しかし、実際は 防犯カメラにうつっていても、似ているけれどぼやけていたり、画素数が荒いため痩せているにも関わらず太っているように見えたりと、実際の人物とは違う像が出来あがりがちです。
しかし、防犯カメラの映像の他に、今回のAさんのように指紋がドアノブから発見されるなど、犯人特定につながる不十分な証拠だけで逮捕されてしまう悲劇が起こってしまうのです。

防犯カメラはお役立ちと誤認の表裏一体の性質をもつ機器

Aさんは、防犯カメラの映像によって逮捕されてしまいました。
しかし、誤認逮捕であることを証明したのも防犯カメラでした。
Aさんの家族が行った過去の防犯カメラのチェックについてご家族は、本来警察がすべき行いだと苦言しておられたようです。
では、なぜ警察はご家族が行った防犯カメラのチェックを行わなかったのでしょう。
それは、警察はAさんが犯人だと決めつけたからです。
捜査の方向性として、Aさんが犯人だと決めつけた捜査と、Aさんは犯人ではないかも知れないという捜査の仕方では、捜査方法や課程も違ってくるでしょう。
しかし、警察は少ない証拠からAさんを犯人に仕立て上げたということになります。
防犯カメラの捜査に今後求められるのは、Aさんが犯人であると決めつけて行う捜査の他に、Aさんが犯人でないかも知れないと推定する捜査方法の2つを同時進行していくことではないでしょうか。そうしなければ、防犯カメラによる誤認逮捕は増えるかも知れません。

防犯カメラの情報は100%信頼できる段階ではない

たとえ、防犯カメラで個人が特定出来たと言いましても、その防犯カメラの性能をきちんと調べてみる必要があります。防犯カメラがどれだけリアルに捉えているかを実験してみる必要もありそうです。
従業員や商品の映像は実際と同じ映像になっているかなどです。誤認逮捕を招くことも念頭に入れながら、防犯カメラを取り扱ってほしいものです。