防犯訓練をすることのメリットとは?実施例と共にご紹介

防犯訓練は防災訓練と共に店舗、企業、地域をあげて行われる様になりました。不審者を想定した場合の防犯訓練はどの様な効果をもたらすのでしょうか。実施例と共にご紹介します。

様々なところで想定される不審者に対する防犯訓練

不審者を想定した防犯訓練は、地域、店舗、企業などの様々な所で行われています。例えばこんな訓練がありました。いくつか紹介すると共に、防犯訓練後に得られる効果をお伝えしていきます。

平安神宮で大規模防災訓練

平安神宮に不審者が車を暴走させて侵入と想定。警察が捕えようとしますが、犯人は鉄砲を所持していました。警察は犯人の脚元を狙い発砲し、サスマタでとりおさえます。犯人は毒物を持っていたので、マジックハンドを使い出来るだけ毒物を手で触らない訓練もした様です。
この事からわかるように、毒物かも知れないなど、危険な犯人の所持品を触る時は、マジックハンドなど素手で触らない事が必要の様です。

高速道路の料金所

乗用車に乗った二人組のうち1人が車から降り、料金所職員に対して話しかけている間に、もう一人が職員を脅し、中の現金を奪って逃走する。
→職員は訓練といえども怖かったそうです。ポイントは犯人の特徴をとらえ、車のナンバーなどを覚え、無線で通報する事なのだそうです。

図書館にやってきた不審者

図書館は誰でも侵入できる事から、不審者であっても気付かない場合が多いそうです。しかし、凶器を持っているなど職員や利用者に危害が及ぶなどする場合を想定し、防犯訓練は行われます。その時、よく利用されるのがサスマタです。
サスマタは江戸時代から不審者を捉える道具として使われてきたそうです。今は、小学校などの公共施設ではマストで置いている所も多いようです。
サスマタは2人組になり、不審者を前方と後方から追いつめる方法です。前方で威嚇し、後方で膝をカクンとさせる事で捉えます。サスマタは長いホウキのような鉄の棒の先に、Uよりも広い形をしたものがついている道具です。
犯人の脇の下を、サスマタで捉えると効果があるそうです。使い方を間違えると怪我の元にもなる様なので、防犯訓練で扱いに慣れる事が必要です。

小学校での防犯訓練

小学校の授業中に不審者が校内に入って来たと想定した防犯訓練です。教師は不審者の通報を受けたら、生徒を安全な場所に移動させます。音楽室や放送室など扉がしっかりしていて鍵のついている部屋に避難させるのがいいそうです。
避難する余裕がない場合、生徒を不審者から少しでも守るために、机を扉の前に重ねるなどの対策も必要の様です。生徒たちは不審者の顔や特徴を覚える事、後で黒板に書ける様にしておく事などの訓練を受ける様です。

保育園や幼稚園での防犯訓練

小学校と同じ様に、教師は園児を安全な場所に避難させる事が訓練内容の様です。園児の親を装い、忘れ物を届けに来たなどと言いがかりをつけて、扉を開けさせようとする不審者を想定しています。その場合、教師はまず園児の名前を確認します。
同じ名前が見つからないなど、不審な点が見当たれば、すぐに放送で避難させる様です。不審者の想定の例で他には、園児達にお菓子あげよう等と近づいてくる不審者なども取り混ぜる様です。
園児達の不審者のイメージは、目出し帽やマスクにサングラスなど、いかにも不審者らしい風貌をした人が多いそうです。その場合は警戒する様ですが、そうでない人の場合騙される事もあるそうです。防犯訓練では普段着の人でも知らない人に声を掛けられたら注意する事を学ぶようです。
中国の幼稚園で、毒物の入った牛乳パックを幼稚園児達の通学路に置いておき、それを飲んだ園児が死亡するという事件がありました。日本でもキャンディーやお菓子など、食べられそうだと思っても決して食べては危険だという事も取り入れてもらいたいものです。

防犯訓練は技術面&心理面で効果的

防犯訓練をしたからといって、実際の不審者とは違うかも知れません。
しかし、一度防犯訓練をする事で、不審者を見た時の心の動揺は全然違うでしょうし、次に何をすべきかという事が分かるだけで、落ち着いて対応できるのではないでしょうか。ますます防犯訓練の必要性は高まりそうです。