警察での防犯カメラの活用について

繁華街や駅でも多くの防犯カメラを見かけるようになりました。防犯効果を高めるためや、事故や事件が起こった時の状況確認などで、設置した防犯カメラの画像が活用される機会も増えていますし、警察でも該当防犯システムの導入を進めています。警察での防犯カメラの活用について紹介しましょう。

■東京の繁華街での導入

警視庁では、都心の繁華街の防犯対策として、歌舞伎町、渋谷地区、池袋地区、上野2丁目地区、六本木地区、錦糸町地区に防犯カメラを導入しています。
録画された画像は、1週間周期で上書きされていく方式で、24時間体制で専従の担当者がモニターしています。
110番通報があった場合には、カメラからの情報が提供され、いち早く犯罪を収束させる使命を持っています。
設置カメラが最も多いのは歌舞伎町で、ドームカメラ44台、固定カメラ11台の計55台が設置され、所轄の新宿警察署と、警視庁に情報が送られています。

■事件捜査へのカメラ画像活用

警視庁の公式サイトによると、事件捜査に防犯カメラの画像が有効に働いた事例として、平成24年の傷害事件の事例を挙げています。

『通行中の男性が背後から刃物で刺されて重傷を負った』
平成24年5月、渋谷駅構内での事件。
駅構内に設置された多くの防犯カメラを調べ、逃走する犯人らしき人物を特定。
テレビなどを通じてこの画像を公開したところ、情報が寄せられ、事件発生から犯人を検挙しました。

(参考)警視庁 特集 変容する捜査環境と警察の取組
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h26/honbun/html/qfa00000.html

画像を記録することで速やかな検挙につながれば、防犯効果も大きく、警察では画像解析技術、鮮明に加工する技術などが研究されています。
角度がついて読み取りにくいナンバープレートも、最新の加工技術ではナンバーが読み取れるようになってきています。
防犯カメラの設置と、活用技術、解析技術の進化で、高い防犯効果を生んでいます。
自治会など地域のつながりが薄くなり、聞き込みでの情報が集めにくくなっている状況にあります。
防犯カメラなどを活用して何が起こったのか情報を素早く集め、分析し、迅速に対応することが大切です。

■防犯カメラ運用で配慮していること

・運用責任者の管理の下、国民の権利を侵害しないようにしています。
・街頭防犯カメラ設置区域であることを、標示板により明示しています。
・映像データの活用状況は、3か月ごとに、東京都公安委員会に報告。
カメラの設置にプライバシー侵害の問題などが取りざたされることもありますが、そうした点に配慮しつつ犯罪の抑止に活用されています。
迅速な捜査への活用で、防犯カメラは頼りにされる存在になっていますね。