ヒヤリハットになる前に~安全の法則とは?

一般的に安全の対極にあるのは危険です。
しかし、仕事での危険と安全の間には「わからない」という領域があるそうです。
安全の法則について、「わからない」状態とともにお伝えします。

安全とは?

安全とは、その領域に入れば100%の割合で安全だという状態です。
これに対して危険はその領域では100%危険な状態にさらされるということです。
安全対策をする場合、危険を回避できればそれでいいのでしょうか。

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則によると、その人がかすり傷を1回負ったとすると、6.8回かすり傷を負っていたかも知れない事故を起こしていると言われています。
つまり、ヒヤリハットな状況が6.8回は起っているということになります。
ハインリッヒの法則では、ある人が330回の災害のうち、29回が応急手当だけですむ災害、1回は死亡や大怪我などの重い災害、残り300回はヒヤリハット災害を起こしているといわれています。
死亡事故などに至る災害が起きた場合、そこでは少なくとも300回以上のヒヤリハットな状況があったということになります。

バードの分析

バードの分析では、1回の死亡や重症事故、10回の軽傷事故、30回の物損事故に対してヒヤリハットは600回あったことになるようです。

ヒヤリハットがあった時がポイント

ヒヤリハットがあった時、大事故には至らなかったけれど、大事故に至っていたかも知れないと一瞬思うのではないでしょうか。
300本のおみくじの中に1本だけ大当たりがあるのと同じように、危険も300回のヒヤリハットの中に大災害が潜んでいるということになります。
ヒヤリハットしたものの、今回はよかったではなく、ヒヤリハットが起こったならば、事故に備える必要があります。しかし、忙しい仕事中であるなどする場合、ヒヤリハットをいちいち報告することはしないことも。

ヒヤリハット~危険の経験を積んだことになる

ヒヤリハットを経験した人は、偶然ではなく危険への道の1つの経験を積んだと思うことがポイントです。
その経験を共有化することで、まだヒヤリハットつまり大事故を経験する人が出ないようにする対策が必要です。ヒヤリハットを経験することがなくなれば、同時に300回に1度あると言われている死亡や大怪我の事故も防止できるはずです。

ヒヤリハットが生じる領域~安全ではない

ヒヤリハットが生じるエリアや時間帯は安全ではないと言えます。
ヒヤリハットが生じたことで、対策を繰り返していくうちにヒヤリハットが生じる前にヒヤリハット防止対策もとる能力が備わっていくのではないでしょうか。
マーフィーの法則には、熟練社員に対して新人社員は何かと危険な状況に宿りがちで、そのまま仕事を進めてしまう傾向にあるとしています。

安全と危険の中間領域~わからないエリアを少なくするのがポイント

安全な領域と危険な領域の間には、「分からない」というエリアがあります。
ヒヤリハットは大事故という危険領域寄りの「分からない」範囲の1つだということ、対策をしていくことでヒヤリハット自体を失くしていくことが安全寄りの「分からない」状態に変化させていくことが安全を確保するポイントです。