会社の運命的要素~安全と品質が生産やコストよりも大事な理由

安全と品質が生産、コストや売り上げよりも大事だと分かってはいても、ついつい後回しにされがちです。しかし、多くの企業は安全と品質を軽視したために倒産の危機にまで宿っていることも。安全と品質の大切さを企業を例にご紹介します。

品質の改善は利益につながる

不良品で返品が相次ぐ場合、コストや時間が掛かるからといって、そのまま遂行してしまうと危険な事が起こります。不具合を知っていたにも関わらず放置し、生産を続けていたタカタを例にみてみましょう。
タカタは車の安全装置であるエアーバッグが破裂するという悲惨な事故で17人も死亡しています。その破裂してしまったエアーバッグは8年間の間ずっと生産され続けていたそうです。

無償修理や回収による損失は莫大?

エアーバッグが破裂したため、無償修理や回収が必要になったタカタ。その総額は1兆円にもなったそうです。生産性が悪く、売上げが伸び悩む場合、利益は伸びませんが負債も生じません。
しかし、一旦品質が損なわれ、ユーザーの安全が脅かされると売上げはもちろん、損害にかかわる支出が会社の財産さえ上回ることもあります。

隠ぺい~品質の低下を改善しないことによる損失

タカタの場合、2004年に一度、破裂という大事故につながるような品質低下による不具合が出ていたようです。それにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、売上げ達成のために生産し続けていたそうです。
その後品質改善をしたものの、2014年にアメリカによって隠ぺいが発覚し、企業生命の危機となってしまいました。

事なかれ主義では企業の成長なし?

隠ぺいしてしまえば、あとは品質改善で企業生命は守れるという神話は崩れました。
・神戸製鋼:製品の仕様書のデータの改ざん
・日産:資格のない人に検査を行わせていた
日産については、過去にも不祥事があったそうなので、またかという感がぬぐえない感じですが、企業イメージが落ちたことは言うまでもありません。取引先の信用を失ってしまうことで競合企業に差をつけられてしまう事が予測されそうです。

ユーザーの安全を守れない会社は信用を失う

成長する企業は社員満足度が高い企業だと言います。品質や安全はそれを達成するためのマスト要素だと言えるのではないでしょうか。安全と品質なくして売上げの保証はないので結果、社員満足はありえない。その結果企業の成長もないとなります。
品質の低下が発生しているにもかかわらず、品質改善をせずに売上げだけを達成し続けたとします。品質の低下や不具合による回収や報告は製品や商品や作られた時期から早いほど企業イメージ低下は少なくなるのです。
それなのにバレなければいいという企業体質があるために本来は、数ミリ程度のほつれだったにも関わらず、大きな破れになります。大々的にマスコミなどで公表されてしまうと、信用と言う大きな財産を失いますので会社の倒産にもつながります。
もし、品質低下を発見し、コストはかかれどすぐに改善した場合、その年の利益は低下するでしょう。しかし長い目で見た場合、迅速な対応で企業の信用を失わなかった分、将来的な無駄な損失をこうむる事は避けられるのです。品質は安全のマスト要素です。
品質低下や不具合を発見した場合は、生産性よりも品質改善を最優先にする体質に変えていくべきだと言えそうです。