安心と安全は守られているか?東日本大震災からの教訓

安心と安全が十分守られていると思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、東日本大震災の想定外という言葉によって、安心と安全は必ずしも守られないことを実感しました。安心と安全について、維持するための意識ポイントをお伝えします。

想定外とは~リスクにさえなっていない危険

東日本大震災では、原発のメルトダウンによる大量の放射能漏れが問題になりました。この大災害によって、原発への安心と安全が人々の概念から失われました。
理由は、東電がこの事故について、想定外だと説明したことにあります。想定外だということはこのような問題につながります。
・被害を予測できなかったこと
・被害が予測できなかったために、被害に対する対策も取れなかった
つまり、東日本大震災の原発事故は、リスクにさえなっていなかったことになります。

リスクの想定~安心と安全のマスト要素

安心だと人が思う時、そこにはリスクに対して安全だと確信していることで成立するのではないでしょうか。そのためには、まずリスクを想定することをしていかなければいけません。
特に、自然災害については今まで起こりえなかったことが起こるかもしれないというリスク想定領域が東日本大震災によって、広がったと言えるのではないでしょうか。

リスクを回避することが安心と安全につながる

リスクを想定できたとしても、リスクを回避すること、リスクが発生した場合の対処法を設定しておかなければ、そこに安心は生まれません。東日本大震災における原発のメルトダウンは、放射能が簡単に近隣に漏れる事を教えてくれました。
日本には他にも原発設置場所がいくつかあります。原発は人々の生活に利益をもたらす半面、放射能漏れというリスクが安心と安全を脅かしています。原発を稼働させておくことは、リスクの回避とは正反対のことをしています。そのため、原発がある限り本当の安心と安全を得ることは難しいと言えるのではないでしょうか。
福井県敦賀市のもんじゅ(高速増殖炉)については、度重なり冷却用ナトリウムが外部に漏れ出た事から、2016年に廃炉になりました。この件については、次の冷却ナトリウム漏れというリスクに対して、事前対処ができたという事になり、安心と安全を利益よりも最優先させたという事になります。

利益とリスク回避のバランスが安心と安全を守る

利益だけを追求していた時代もありました。しかし、その結果、公害というリスクを想定できないまま人々の安心と安全を脅かす状況となってしまいました。
これからは、利益追求の際にもリスクを想定することも同じくらい追及し、リスク回避が出来る様にならなければ、安心と安全が守られたとは言えない時代になりそうです。