高齢者は転倒の危険が若者や青年よりも多いのは言うまでもありません。転倒することで、災害、人災などの被害にあった時にも、すぐに逃げ出せないことも。高齢者の転倒と言う危険防止のための対策をお伝えします。
65歳くらいから急激に増えている転倒事故
65歳以上から、急に転倒する人が多くなってきています。転倒とともに、階段、屋根などからの転落事故も多く、救急車を呼ぶ理由の上位を占めるほどです。しかも、転倒する場所は、自宅と外出先が半々くらいなのだそうです。
転倒を誘う危険な部屋とは?
若者にとって、何ら問題のない部屋でも、高齢者にとると危険な転倒地帯となっていることが少なくありません。
・スマホや扇風機などの延長コードから出た電源までのケーブル
・他の部屋との段差
・敷いている布団
→意外ですが、敷布団の上に低反発マットなどを敷いている場合、低反発マット部分が、敷布団よりも大きいなどすれば、溝ができることになり、そこへ足の指先がひっかかってしまいます。
・小型扇風機
→通路に小型扇風機を置いていると、ふとした時に、小型扇風機が置いてあることを忘れてしまい、つまずいてしまいます。
・椅子の脚部分
→少し開いている椅子の脚の場合、死角となり、高齢者はそこへ足を引っ掛けて転倒してしまいます。
転倒すると大事故にいたることもある危険とは?
高齢者の場合、転倒すると、体の中で1番重たい頭から地面に着くことが多くなります。そのため、打撲したところの血管から血液が洩れてしまい脳内にたまってしまう硬膜下出血などが知らぬ間に起こってしまうことも。1カ月ほど経過し、打撲部分が治ったころに、ひどい頭痛におそわれます。
発見が遅れれば命を落とすこともあります。また、高齢者の場合、転倒し上手に手や足で着地できたとしても、60~65歳では手首、75歳以上は脚の付け根の骨折が多く起こり、治りにくいので転倒する前よりも本来の機能が低下してしまうこともあります。
特に女性は、50代以降、閉経で骨密度が3割以上減ってしまうので定期的な骨密度検査も必要です。必要ならカルシウムを処方されて毎日飲むことになるかも知れません。
おすすめの危険防止対策は?
まずは、高齢者が部屋や廊下を歩きやすいように整理整頓することです。どこに何があるか、その部分は危険だなど常にわかるようにしておくことです。家族が不意に置いたアイテムにつまずいて転倒なんてこともあります。
外出時は危険がいっぱい
高齢者にとって外出時も危険がたくさんあります。ちょっとした段差も転倒の危険がありるからです。
・スーパーの入り口のマットの凹凸
・外出先のデパートやスーパーなどの床のすべりやすさ
・駐車場のストッパー
など
特に、急いでいる時やたくさんの荷物を持っている場合などには気をつけましょう。
センサーライト付き照明器具もおすすめ
どうしても床や廊下にアイテムを置いておきたいことがあります。そんな時は、高齢者が転倒しないよう、つまずかないように、その部分にセンサー式の照明器具を置いてあげることで、危険をセンサーライトが察知し、高齢者が転倒やつまずきの危険を自分で防止することにつながります。
危険防止には日頃の運動も必要
高齢者の転倒の危険はいろいろ潜んでいることがわかりました。しかし、いくら周囲を整理整頓しても、高齢者の脚の力がないと、ふとした時にバランスを崩して転倒してしまいます。そうならないためにも、ウォーキングなども取り入れてみてはいかがでしょうか。