安全は確保されるけど~防犯カメラの問題点とは?

防犯カメラは国内で、安全を確保するために駅、地域、店舗、住宅などあらゆるところで活躍しています。ですが、一方で問題点もあります。問題点を認識したうえで、防犯カメラの恩恵をうけることが、防犯カメラによる誤認を防止することにもつながるのではないでしょうか?

防犯カメラで実際に犯人逮捕はできるのか?

果樹園や集落などでは、クマの被害がでていますよね。可愛い雑貨としてのクマは人気なのに、猛獣としてのクマは恐ろしい被害をばらまいています。最近では北海道で、シロクマが出没したというニュースがありました。人だけでなく猛獣に対しても、監視カメラは功を奏しているようです。雑木林に防犯カメラを設置し、クマを認識すれば通報されるシステムとなっているようです。

コンビニの犯人の逮捕も防犯カメラは貢献しているようです。コンビニ内のカメラだけでなく、地域の防犯カメラとともに、犯人の住居を特定し、繰り返される犯行とともに限定しているようです。このように人の安全には不可欠なようにみえる防犯カメラですが、問題点もあるようです。

防犯カメラを全面的に信用すべきか?

防犯カメラの最新のタイプのものでは、液晶化も高度化し、より実際像に近い映像が提示されるようになりました。しかし、一方でまだまだ実際の映像とはかけはなれた映像で処理されるものも多いのが現状です。ある店舗では、犯人の実際はとても太っている人なのに、スリム化され細身として映っていたそうです。その結果、別の人が誤認逮捕されるなど被害を受けたそうです。

さらに、防犯カメラは一定の角度でしか捉えることができません。こんな事件がありました。ある店舗に来店した人の財布が盗まれたそうです。防犯カメラは、席をはずしている間に、その席付近に近づき、財布を盗まれた人が戻ってきたと同時にいなくなった人をとらえていました。防犯カメラに映っていたというだけという理由で逮捕されたそうです。いくら違うと反論しても、ここに映っていたという映像の記録だけで拘束され続けました。実際は、被害者が被害現場の周辺に財布を置き忘れていただけだったそうです。財布がみつかったのでもちろん釈放されたそうです。そのことから、防犯カメラだけでは100%の信用がなされないことが証明されました。防犯カメラに犯行時間帯に映っていたというだけでは、犯人の特定にはつながらないことを念頭においておくことも必要です。

監視社会に?防犯カメラの安全とともに失われる自由

防犯カメラは、人々の安全を確保する大事なアイテムです。しかし、一方で犯人の特定には、防犯カメラだけでは叶わないということもわかりました。防犯カメラの問題は他にもあります。

空港、駅、地域、店舗、家などあらゆるところで防犯カメラが設置されています。犯人特定のための対策であるにもかかわらず、一般の人々にとれば、窮屈であり監視されている感がまぬがれないことも事実です。

安全だからという理由だけで、監視社会になることは、ある意味危険です。通行人の顔は映像化されないようにボカすなどの機能を備えている最新の防犯カメラもあります。しかし、そうではないばあい、特定の個人の人権侵害にもつながる恐れがあることを認識しておくべきでしょう。本当に必要な所に設置をするのは仕方がありませんが、防犯対策だからとあらゆるところに防犯カメラを設置しすぎるのはよくないということではないでしょうか。

そもそも、防犯が行われる理由は、貧富の差が生まれているからでもあります。監視による威嚇だけで犯罪は減らないはずです。貧困層に対する国の保護策を充実させることが犯罪防止にもつながるようです。

防犯カメラに頼りつつも過信しないことが重要

防犯カメラは人ができない部分の監視も一日中してくれる優れものです。一方で、犯人特定については、防犯カメラがとらえていたという理由だけで確定するのは、人権侵害にもつながる危険なことです。防犯カメラの便利さだけに頼らない防犯対策を実施してくことがこれからの防犯対策に求められそうです。